「ゼロ撲」は「増やせ女性議員!なくせ女性ゼロ議会キャンペーン」の愛称です。1992年発足の全国フェミニスト議員連盟は、あらゆる議会の女性議員を30%(のち50%)に増やそうと、調査・政策提言・広報などの運動を開始しました。90年代後半、男性議員のみの議会を「女性ゼロ議会」と命名。当該自治体の実情把握、住民との懇談、要望書提出などの活動をするプロジェクトを発足。2003年から「地方議会女性議員進出度マップ」を作成、女性議員の少なさや「一人からでもできること」を知らせてきました。運動の結果、2011年、都道府県のゼロ議会(福井県)は解消し、対象は市町村だけになりました。女性議員は少しずつ増え50%以上の所もありますが、市町村のゼロ議会はいまだ200以上あります。皆さん、いっしょに運動を広げましょう!
現状
日本の女性議員は依然として少なく、特に国政では顕著です。2021年の衆議院選挙では立候補者の女性割合は約18%、当選者の割合は約10%に留まりました。地方議会でも女性議員の進出はわずかで、女性割合は約20%です。女性ゼロ議会は226自治体(2023年12月末現在)もあり、全体の約12.6%を占めています。日本の女性議員割合は国際的に見ても非常に低い状況です。
課題解決に向けて
ゼロ議会訪問
女性議員がゼロまたはひとりだけなどの議会のある自治体を訪問し、関係者から実情をヒアリングし、関連する団体へ要望書を提出するなどして、女性議員が立候補しやすい基盤づくりへの活動を行っています。
セクハラ解消
議員になってからの性別に基づくいじめやハラスメントによって議員活動を阻害される事実を多く見聞きすることで、その実態を調査し、公表し続け、改善を求めた活動も行っています。
ネットワーク強化
女性の候補者や当選者、その関係者などと交流し、エンパワメントしながら、ネットワークを強めています。
「選挙は重要であり、もっと重要なのは選挙の方法である」と言われ、「女性議員を増やすには、選挙制度が重要である。とりわけ、小選挙区制よりも比例代表制において、女性議員が多く当選する」とも言われています。
また、クオータ制は、選挙で女性などの特定のカテゴリの議席を一定割合確保する制度です。一方、パリテ(parité)は、候補者リストの男女を同数にすることを求める制度で、フランスなどで導入されています。いずれも男女平等と多様性を実現するための有効な手段であり、ゼロ撲では実現へ向け働きかけています。
世の中のジェンダー意識の高まりは人権意識の高まりです。ゼロ撲では、多くの有権者のジェンダー意識に向けて活動の情報発信をし続けています。
内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書令和6年版」政治分野よりグラフ加工
地方議会女性進出度マップ
これまでに作成してきた地方議会女性進出度マップです。