要請書を提出しました

新型コロナウイルス感染拡大に関する第二次補正予算に男女平等の視点を求める要請書

 

2020年5月15日

内閣総理大臣 安倍晋三様
内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 橋本聖子様
総務大臣 高市早苗様
厚生労働大臣 加藤勝信様
内閣府特命担当大臣(経済再生) 西村康稔様

新型コロナウイルス感染拡大に関する第二次補正予算に男女平等の視点を求める要請書

    
全国フェミニスト議員連盟 
共同代表:小磯妙子/まきけいこ 
藤沢市辻堂5-20-11脇礼子方

新型コロナウイルス対策をメインにした2020年度補正予算が成立しましたが、この予算は男女平等社会づくりの視点がきわめて乏しい内容です。つきましては、第二次補正予算に下記を盛り込むよう、「新型コロナウイルス感染対応に女性の声の反映を求める緊急要請書」(2020年4月14日付)に重ね、強く求めます。

 

1.予算に関わる官僚等へのジェンダー平等・女性問題の人権研修について
予算案作成にかかわる官僚、その審議決定にかかわる議員の男女平等感覚・認識を改めるために、全員を対象者として、男女平等・ジェンダー問題の継続的定期的研修を予算化すべきです。各国でもDV・虐待の増加が大問題になり、また日本では国会議員や男性タレントによる女性の人権を侵害する言動、性役割押しつけ広報(熊本)などが頻発しており、急を要します。

 

2.新型コロナ災害困りごと相談窓口の設置等について
・全自治体の役所や保健所・公民館の受付に、「コロナ困りごと何でも受けつけ」担当を新設して、必要な情報がわかりやすく行き渡るよう支援してください。
・全国の女性センター(男女共同参画センター)で、IT弱者(とくに中高年女性)への特別研修が無料で受けられるよう人員配置・機器補充をしてください。これらは、ITインフラ整備を含む経済構造強化策(9172億円)または、予備費予算(1兆5000億円)を充当するか、新規予算を組むべきです。

 

3. 女性従事者の多い医療、介護分野の崩壊を防ぐ予算について
PCR検査態勢の強化と医療用防護具、重症者に対応する医療機器等の充実は最優先対策であり、「Go Toキャンペーン」予算をそちらに回すよう組み換えるべきです。女性たちの多くは主たる家庭責任を有しつつ、病院、介護・福祉施設、また訪問介護など集団感染がおこりやすい職場で働いています。このままでは医療・介護現場の崩壊と同時に家庭崩壊が起きかねません。

 

4.世帯単位から個人単位の制度設計について
今回、DV被害者への10万円給付にかかわって、世帯主が家族の分を一括して受け取る方式に批判が出て、改正されました。「すべて国民は、個人として尊重される」と謳う憲法13条に則り、個人単位への制度設計をしてください。運用で可能な施策は、とり急ぎ個人単位にしてください。

 

5.「新しい生活様式」の問題点について
政府は、長丁場に備えて「新しい生活様式」を提案しています。しかし、このままでは性による役割を押しつける「生活様式」になります。OECD加盟国のなかで最も男性が家事をしない国は日本(1日62分:2014年)とあるように、世界にまれなほど家事・育児が女性の肩にかかっている社会です。その習慣・慣行の見直しこそ「新しい生活様式」には必須です。また、12人中女性が2人しかいない「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」の構成員は半々にするべきです。

以上

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