私たちは、総会記念シンポジウム「女性センターの過去、現在、そしてこれから」をより深く理解するために、会員を通して、回答者の居住する自治体にある女性センターの現状を調べていただくアンケートを実施しました。

期間は2025年3月20日～5月3日までの1か月ほどです。全国フェミニスト議員連盟のメーリングリストを使って、会員・非会員にアンケートの協力を呼びかけました。

36件のアンケート回答が届きました。結果データのデータは最下部のリンクをご参照ください。

回答数は36件。回答のうち、女性センターがない自治体が10件ありました（図1）。設置がなくてもアンケートに答えてくださったということは、常日頃から女性センターがないことへの問題意識があり、設置を提案・要望するなどコミットをされてきた方と想像されます。ありがとうございます。

・女性センターは決して多くありません。市町村では全国1788自治体（都道府県含む）で353施設あるだけです。

・センターの機能として、多くが相談室や貸し部屋事業としての会議室を持っています（図2）。市民団体用のロッカーはあっても、印刷機能がないところもあります。女性センターの設置目的の一つは団体活動支援ですから、何が必要機能であるか検討が求められます。

・センターで行っている事業は、会議室貸し出しならびに主催企画事業が最も多く、次に相談事業、情報事業です（図3）。相談事業については、2024年「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」（以下困難女性支援新法）が施行され、そこに相談支援施設の設置が明記されました。これまで女性の相談を受けてきた女性センターとこの困難女性支援新法に基づく女性相談との連携等を今後どのようにしていくのか、センター設置自治体の大きな課題です。

・相談の中身、企画講座の内容などに踏み込んだアンケートではありませんが、コメントの記載などをみると、女性センターの設置目的に合致した内容、つまり男女平等の推進に資するような企画運営がなされているのかどうかには疑問が残るものも見受けられました。またアンケート回答者から見て、女性センターの存在意義が薄れてきているのでは、という危機感を持っているのが感じられました。

・運営体制は、直営が多いです（図4）。アンケート内容にはありませんが、報道などにもあるように、センターの職員や相談員については、非常勤や会計年度任用職員、再任用職員等が多いことは他の調査等からもうかがえるところです。身分不安定で賃金的にも正規職員と大きな差がある働き方を強いられていることは、図書館司書など、女性が多い専門性を要求される職場の問題とも共通している点です。

女性センタ―を設置しているということは、予算がそれなりについているということです。ぜひ、この事実を大事にして、少しでも後退させないように、どのように女性センターをうまく使っていくか、知恵を絞り、情報共有していきましょう。

実施：2025年3月20日～５月３日　回答数36件　女性センターあり26件（うち県センター３件）、なし10件