2009年の活動

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■2009.12.31 女性議員比率(2009年12月31日現在)

 女性議員数
(県)
県議総数女性議員数
(市区)
市区議
総数
女性議員数
(町村)
町村議
総数
地方女性
議員総数
地方議員
総数
女性
議員率
順位
北海道999108817123173424026509.1%22
青森県2462127714398377215.1%47
岩手県4462537122333517506.8%34
宮城県4614039428356728118.9%23
秋田県4442035211164355606.3%38
山形県3432028414269375966.2%39
福島県65527385316016410416.1%40
茨城県5649078617177112102710.9%15
栃木県35948378152296665710.0%18
群馬県3473638025320647478.6%24
埼玉県590210102469406284152018.7%3
千葉県79016499725289196137614.2%6
東京都24127380153514144418180623.1%1
神奈川県111001336274320518793220.1%2
新潟県4534157111138567627.3%32
富山県23817238758263347.8%28
石川県3461622613140324127.8%28
福井県038182056128243716.5%36
山梨県4363128512188475099.2%21
長野県11557044679692160119313.4%7
岐阜県2455047318214707329.6%20
静岡県5726258514180818379.7%19
愛知県510113798343359185144312.8%9
三重県24948358222127261911.6%12
滋賀県84746313121476650713.0%8
京都府66070407221499861615.9%5
大阪府711217387723132203112118.1%4
兵庫県108910176321190132104212.7%10
奈良県64430251222825857710.1%17
和歌山県2431920117273385177.4%31
鳥取県53714102212034034211.7%11
島根県2371421810173264286.1%40
岡山県455394047144506038.3%25
広島県3653840910141516158.3%25
山口県4474036312935650311.1%14
徳島県2401320513224284696.0%43
香川県345172188134283977.1%33
愛媛県345293008142404878.2%27
高知県23835245222795956210.5%16
福岡県3879970350528152131811.5%13
佐賀県2401625211139294316.7%35
長崎県4461634911135315305.8%44
熊本県3482937321448538696.1%40
大分県14424370253274675.8%44
宮崎県2422025817216395167.6%30
鹿児島県3543345915374518875.7%46
沖縄県7482530013351456996.4%37
合計220270827522131710441288440163690910.9% 

■2009.12.26 DV被害者に対する定額給付金施策全国調査報告

麻生政権の、追加経済対策の一つとして行われた 定額給付金は世帯ごとの給付であり、世帯主が 受給者とされたことから、住民票のないDV被害者が 定額給付金を受け取ることができないなどの問題が明らかになりました。

DV被害者に何とか定額給付金を届けたいと独自施策を打ち出した自治体もあり、全国の女性議員たちの声によって、自治体にそうした施策を迫る動きもありました。

フェミニスト議員連盟では、DV被害者、被虐待児、ホームレス にも対象を広げ、定額給付金の受け取りに関する独自施策を 各自治体が打ち出すことを求め、アンケートを行いました。

その結果、全国18都道府県37自治体から回答がありました。

今回は受け取るべき被害者に届けるための独自施策はありましたが、不当にも被害者の分を受け取ってしまった加害者から定額給付金を取り戻す施策をつくった自治体はなく 大変残念でした。


■2009.08.29 ヌエックジェンダー・交流フォーラム「地方議会から国を動かそう!」

Report

2009年9月 ヌエックワークショップ報告
女性差別撤廃条約選択議定書の批准に向けて 地方議会から国を動かそう!

8月29日(土)9:00~より、会場は3階306号室、48人部屋。そしてなぜか2階大会議室では全く同日同時刻に、国際女性の地位委員会主催による、殆ど同テーマの集会が設定されました。

このような厳しい状況下で、さらにゼロ撲側のメンバーは、28日夜は西武、三井、勝又の3人のみ、なんとも寂しい限り。 しかし用意したチラシは200枚、28日午後から西武さんと2人でほぼ配り終えたと思っていたら、なんと、西武さんがさらに追加して150枚印刷。おかげで28日夜の交流会の会場内でも、チラシ配りに必死になりました。

29日当日は早朝7時半から、打ち合わせ。その後急いで本館3階会場に向かい、準備。ちなみに参加者は多くないという想定で、500円で売る資料は46部くらいしか用意しませんでした。全部売れたら2万円少しになるなぁと、つまらないことは考えながら。

会場準備に精一杯で、呼び込む人手でもなく、開始時間になってしまいましたが、なんと続々と3階まであがってきてくださいまして、いつしか会場は満員、椅子は足りなくなる、資料はなくなるで、追加印刷に走ることに。

「男女共同参画と、女性差別撤廃条約選択議定書批准とは、どんな関係があるの!」という、私のつけた幼稚なサブタイトル名にもかかわらず、よくぞ、内容を好意的に推察して参加してくださいました。

三井さんの条約・議定書・批准についてのパワーポイントを使った講義?からはいり、4人の市議、野村羊子さん、陣内泰子さん、日向みさ子さん、まきけいこさんによる各議会での意見書提出についての報告など、次から次にさすがの元気な話術で、充実した発表でありました。その後質疑応答。特に、議定書が批准されたら、即通報するという第1号予定者が参加しておられ、感動しました。

今回のヌエックの大テーマは、女性差別撤廃条約選択議定書の批准問題であり、それにぴたり一致したゼロ撲のワークショップテーマで多くの方に満足していただけたのではと思います。

(報告 : 勝又みずえ / 山口県)

まず、コーディネーターから条約の成り立ち、経過、さらに、個人通報制度を持つ選択議定書が条約を施行させるためのオンブットの様なものであると説明され、批准のもつ大きな意味が来場者へ訴えられた。その上で、「選択議定書の批准を求める意見書」が提出された自治体の女性議員の皆さんから、議員提案および市民による請願からの意見書提出とそれぞれの議会での議論を話して頂いた。各議会でも、「世界経済フォーラムの男女格差指数(2008年版)が130か国中98位と低い事が信じられない、数値の信憑性はあるのか」との男性議員の意見が出されたそうだ。しかし、一つ一つ丁寧な議論ができた自治体の女性議員は「党派によらず、主に、男性議員に日本の女性差別の現状を訴える議論ができたことが収穫だった」と話された。この意見書が各地の9月議会でも、引き続き、提出、通過されている。今後の地方議会の様子を見守っていきたい。


■2009.08.19 増やせ女性議員!なくせ女性ゼロ議会キャンペーン(ゼロ撲)

1992年発足以来、私たちは女性議員をふやす活動を続け、97年からは『なくせ!女性ゼロ議会』プロジェクトを立ち上げ、活動しています。人口の半分を占める女性の代表が議会に入ることが民主主義の第1歩です。

全国フェミニスト議員連盟は、全国の女性団体などと連携して1999年3月3日「全国一斉、女性と政治キャンペーン」を実施しました。以後、統一地方選のある2003年、2007年、2011年に、各地の仲間と共に実施しています。

2003年からは「地方議会女性議員進出度マップ」をつくり、日本の現状を広報しています。
さらに、女性議員を増やすために「一人からでもできること」の5項目を提案しています。
会員が、機会を捉えて女性ゼロ議会の自治体訪問などもしています。

1999年から進められてきた平成の大合併は、2010年3月末をもって、一区切りとなりました。これによって、3232あった市町村は半分近くにまで減って、1727となりました。

2013年12月の総務省調査によると、都道府県議会への女性議員進出割合は、8.79%(ゼロ議会なし)です。石川県、香川県、佐賀県は女性議員ひとりです。市区議会への女性議員の進出割合は13.63%、町村議会では、8.72%で、平均して、前回調査より、0.5ポイントアップしました。 女性ゼロ議会は407自治体、割合にして22.69%です(2011年7月現在)。

女性議員の進出は、進んできているとはいえ、なかなか飛躍的に増大するというわけではありません。特に国政への参画は著しく遅れています。2012年12月の衆議院選挙では、立候補者の女性割合は15%、当選者総数のうち、女性議員割合は7,9%でしかなく、国際比較すると、188か国中161位(2014年6月現在 IPU列国議会同盟調査)という恥ずかしいものです。

超少子高齢化、地球環境並びに脱原発、国際社会などへの対応には、これまでの制度や価値観の変革が必要です。暮らし=政治をよくするためには、日本のあらゆる議会に女性議員が少なくとも40%入ることが必要です。

すべての議会に女性議員がいることが当然になり、その数が人口比に近づくように、賛同の方は是非活動の輪に加わってください。


■2009.08.16 2009総選挙各政党マニフェストにおける女性政策アンケートを各政党に手渡し致しました

各政党を訪問、要請とアンケー トを手渡し致しました。


■2009.08.08、09 合宿「よぉござしゃったねぇ~出雲のくにへ」(島根県松江市)

よぉござしゃったねえ~、の言葉を実際に聞いてみませんか?こんな機会でもないと、聞けない、見ることができない、行かない。
そう思ったあなた、ぜひ松江に来て下さい。目からうろこのお話がいっぱいあります。自分の土地を見直すきっかけにもなるでしょう。そしてこれを機会にまた松江に来て下さい。お待ちしています。(せっかくなら早く来てちょっと宍道湖を歩いたり、潜戸の観光船に乗ったり、街並みを歩いたり。神話の世界がほら隣にあります…)

日  時:8月8日(土) 14:00 ~ 8月9日(日) 正午頃
会  場:
 8日 松江ニューアーバンホテル 島根県松江市西茶町40-1
 9日 松江市市民活動センター スティックビル 1階ブース(男女共同参画センターは3階です) 松江市白潟本町43番地 スティックビル
主  催:全国フェミニスト議員連盟夏合宿in松江実行委員会
内  容:
第1日目
14:00 オープニング・音楽
 挨拶 : 松江市長・松江市議会議長
14:30 基調講演
 「ひろがる貧困 女性から男性へ」
 講師 : 清末愛砂さん(大阪大学大学院国際公共政策研究科助手・准教授を経て、2008年より島根大学男女共同参画室専任講師。ジェンダー法学。アジア女性資料室等で活動。日本女性学会幹事。『母と子でみる パレスチナ-非暴力で占領に立ち向かう』など著書多数)
16:00 パネルディスカッション
 「女性が生きて働くためには」
 清末愛砂さん/吉祥眞佐緒さん(DV被害者支援団体エープラス代表。女性の権利を守る活動中)
…ほか
18:00 交流会
 歌 : 渡邊志津子さん

第2日目
分科会
09:00 分科会
 第1分科会 「地域産婦人科医療」
  発議者:岩成 治さん(島根県立中央病院産婦人科医師。細胞診・HPV検査併用子宮頸がん検診 ─高精度・効率化。地域産婦人科医療に尽力 )
 第2分科会 「田舎暮らしは笑いが止まらないほどハッピーでエキサイティング!」
  発議者:河部 真弓さん
(マーケティングプランナー、国土省地域振興アドバイザー、NPO法人結いまーるプラス理事長。日経ウーマン「ウーマンオブザイヤー2008受賞」)
 第3分科会 「女性議員を増やすために~町村選挙に学ぶ」
  発議者 :土居美智子さん(前愛媛県砥部町議、合併後の町長選挙に挑戦)/藤井郁子さん(前山口県萩市議、活憲やまぐち共同代表)
11:00~11:30 全体会・終了  
12:00 昼食 
13:30 オプション視察

Report

2009年8月 フェミニスト議員連盟夏合宿 in 松江

2009年全国フェミニスト議員連盟夏合宿 IN 松江が、8月8日、宍道湖畔の松江ニューバンアーバンホテルの会場で始まりました。

全国から30名あまり、そして島根県内の方がたのご参集で、総勢60名以上の参加者です。

素敵なフルートの演奏で幕開け。松浦松江市長、三島松江市議会議長からご挨拶があり、女性の登用、活躍に力強い応援メッセーを送っていただきました。幸先のよいスタートです。基調講演は、島根大学男女共同参画室専任講師の清末愛砂さんです。

清末さんは1972年生まれ。就職氷河期世代です。就職はなく、大学院に進んでも出口なしの状況は変わらず。セーフティネットとしての「家族」の解散と来年の契約はあるの?と心配しながらの非常勤講師生活を送ることになって、「1972年生まれを恨みたい」と語ります。最近の社会的事件を取り上げ、秋葉原事件に対する若者の反応は、ある意味同情的。それは男だから。秋田の畠山鈴香さんの起こした事件では、「魔女」「鬼婆」と名づけられるだけ。そのようななかで、女として生きるとはどういうことか、生き延びるとは何か、を考えたとのことです。

貧困が社会的広がりを持つなかで、なぜ。派遣村に女性がいないのか、女性はどうしているのか気になった、とのこと。歴史を振り返ってみると、女性はずっと貧困だった。とりわけ、労働者派遣法と男女雇用機会均等法の制定がともに1985年。結果、女性の分断がもたらされることになります。そして世界的に広がる格差問題に対して、「唯一下からしか育たない民主主義、唯一すべての人々ともにしか達成されない自由、闘いとられる民主主義を、上から来ることを期待するものではない」との言葉にあるように、女性の人権、自由は闘いとるものであることを強調されました。

引き続いてのパネルディスカッションでは、吉祥眞佐緒さん(DV被害者支援団体代表)、浜田妙子さん(鳥取県議会議員)に加わっていただき、野村羊子さん(全国フェミニスト議員連盟共同代表)のコーディネートで議論を深めていきました。

吉祥さんからは、DV支援の状況、派遣村での女性支援などについて、また、浜田さんからは 議会でのDV支援取り組みなどのお話がありました。清末さんからのお話でもあったように、つながっていくことの大切さが改めて確認され、女性差別撤廃条約選択議定書採択に向けての意見書の取り組みや定額給付金のDV被害者支給自治体アンケートへの取り組みなどが提案されました。

終了後は交流会です。3人の方々のソプラノを堪能しました。お食事もおいしく、いろいろな方が全国からメッセージを発信。名刺交換もおこなわれ、今後の交流の絆を約束しました。その後拡大世話人会ももたれました。

毎年おこなわれている夏合宿。引き受けていただいた実行委員の方々の企画、準備、運営に感謝です。こうやっていろいろな地域で開催できることに全国フェミニスト議員連盟の底力を実感します。

報告 : 陣内やす子(八王子市議 / フェミニスト議員連盟共同代表)

1)子宮頸がんの実態
20歳代、30歳代の子宮頸がんが急増している。だから、子宮頸がんのがん検診の対象は20歳台からである。なぜ、急増しているかというと性交年齢の低年齢かがすすみ、1990年の3倍の子宮頸がんが発症している。特に目立つのは30歳代の死亡率が上がっている事である。60歳代になるとほぼ子宮頸がんの発症は抑えられる。

2)がんの発症経路
上皮細胞にHPV(ヒトパピローマウィルス)が感染。80%性交によって感染する。これは一過性の感染であり、人間の抗体により死滅するものが多いが、10%は持続。その10%は感染症的な時に円錐切除をすれば直る。しないものの40%は子宮頸がんとなる。子宮頸がんとなった場合は、子宮の全摘手術を受けるが非常に難しい手術である。

3)子宮頸がん対策
ワクチンが有効である。これは秋から導入が予定されているが、お金が掛かる。 がん検査であるが今は細胞検査が主流であるが、60%の精度しかなく、HPV検査によってウィルスがあるかどうかを調べるとほぼ完璧である。線腫のばあいも考え、両方の検査をすることを進める。自治体ではまだHPV検査をしているところが少ないが、するほうが経済的である。すなわち、子宮がんになった時の医療費よりも検査費用の方が掛からないという事で費用対効果を考えれば、自治体でHPV検査を早期に導入すべきである。

この分科会で議員として考えた事は、自治体でいかにHPV検査を20歳から広範囲に受けるように啓発し、かつ、無料化または低額化していくか、また、ワクチンの無料化を進めるかということだった。女性の体を守り、いのちを守る活動は女性がすすんでしなければ守れない。そのための恒常的な活動が必要だと痛感した。

報告 : 高橋ブラクソン久美子(狭山市議会議員)

私は今年の春、13年間の議員生活を引退し、奈良県橿原市から今回のフェミニスト議 員連盟の合宿地となった島根県松江市で田舎暮らしを始めたところです。そんな中でこのタイトルに目を引かれて参加しました。

始めに講師の河部真弓さんご自身によって、30分の自己紹介がありました。小説家を目指した学生時代から、現在の職業マーケットプランナーに至るまでの行動や想い を述べられ、ここで彼女の行動力や人としての魅力がストレートに伝わってきまし た。

河部さんの活躍は大きな評価を得て、日経ウーマンオブザイヤー2008受賞とな り、私たちの知るところとなりました。授賞理由は、山陰の過疎地域で継続的に定住促進活動に取り組んだことです。

かつては、東京でフリーのマーケティングプランナーとして実績を積み上げてきた 河部さんはPR会社勤務の夫とともに10年前、島根県旧桜江町(現江津市)。この町は 四方を山に囲まれた小さな町、人口3200人で過疎化に悩まされている現状でした。夫の故郷ということで度々訪れていたこの地域が、河部さんをどんどん虜にし、河部さ んの方から夫の背を押してのUターンが実現したのです。それから始まったお二人の 田舎暮らしは次々と成果を生み出しました。知れば知るほど宝の山に思える故郷の魅力を全国に届けたいという熱意と、東京で培ったスキルを武器に、地域活性化のため のユニークな企画を立てました。当日は阿部さんの夫も“石見問屋”若旦那として和装で最後に登場しました。“石見問屋”というのは阿部真弓さんを理事長とするNPO 活動の一環で、地元でとれた食材等を販売するネットショップの名前です。

彼女の桜江町への思い入れが地元の人の共感を得て素晴らしい成果をもたらしました。
私自身は、充実し、(少々疲れた)議員活動を終え、今度は新たな人生にスイッチを入れる気持ちで田舎暮らしを始めました。彼女には田舎の素晴らしさをますます発信 していって欲しい。今後の活躍を大いに期待しています。

報告 : 松江市 岩佐 広子(元橿原市議)

分科会の参加者は約15人。司会は島根県議のはくいし恵子さん。事例報告の中で愛媛県前砥部町議の土居美智子さんは、合併に伴う町長リコール運動の中心的リーダーとしての経験とその後の町長選挙出馬のいきさつを報告。もう一人の山口県前萩市議の藤井郁子さんからは、合併によって広域化された市では郡部からの女性候補の当選は絶望的。過疎と高齢化、女性の見えない貧困の中で相変わらず女性の役割分担が固定化しており、網の目のしがらみに縛られて女性が女性を応援しない現実がある。どうしたら差別と戦うフェミニスト議員を日本中に増やすことができるか、との問題提起がありました。女性候補のエンパワーメントとともに有権者の意識を変えていく地道な地域活動の大切さを確認できた分科会でした。

報告 : 久万高原町 鐘ヶ江洋子


■2009.05.24 総会(東京・三鷹市):学習会「今、女性差別撤廃条約選択議定書批准をめざして」

日  時:2009年5月24日(日)
 14時 : 総会 / 15時~16時30分 : 学習会
講  師:近江美保さん(日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク、大学講師)
「今、女性差別撤廃条約選択議定書批准をめざして…男女共同参画を進めるために」
参 加 費:資料代500円※会員の方は2009年度年会費1万円(購読会員4000円)をご用意ください。
場  所:三鷹市市民協働センター

Report

全国フェミニスト議員連盟2009年度総会報告

5月24日、三鷹市市民協働センターで2009年度の総会及び学習会が開催されました。

午後2時からの総会では議長の小金井市議の漢人明子さんが議事進行。陣内代表による08年度の活動報告、決算は全て承認されました。

会計の努力により、08年度は未納の処理が進み、会費が増額となったこと、国際シンポジウムの参加者が多かったことなどで、次年度繰越金が増えたことが評価されました。

また、少ない予算の中で、それぞれの担当が熱心に活動を行ったこと、名簿の作成、ホームページの活用と会員MLの創設など充実した1年だったことが改めて認識されました。

続いて09年度の活動方針案と予算案が審議され、承認されました。しかし、会員からは今後はもっと他の団体との連携を深めたらどうかという意見や、会費が高いので検討すべき、またAFERのバックナンバーの内容をホームページに掲載してはどうかという質問などが出ました。これらに対し、代表などから女性情報総合サイトWANの加入を検討中であること、会費についてはさらに検討すること、AFERのバックナンバーは販売しているため、無料の情報提供は難しいという答えがありました。

なお、09年度は役員改正の時期ではありませんが、国際の世話人として日下景子(神奈川県議)さんと原麻里子さんが加わることになりました。
8月8日、9日に松江市で開かれる夏合宿で又会いましょうという野村代表の呼びかけを最後に、総会は無事終了しました。

3時からは、日本女性監視機構役員で国際女性の地位協会理事の近江美保さんを講師に迎え、女性差別撤廃条約選択議定書批准についての学習会を行いました。
現在、選択議定書の締約国は96カ国で、OECD加盟国では米国と日本だけが批准していません。今年は選択議定書採択10周年ということもあり、日本の批准に向けて各女性団体の動きも活発化しています。

フェミ議でもこの批准を求める要請を行おうと、文案を野村代表を中心に作成、満場一致で採択されました。この要請文は、麻生総理、衆参両院議長、関係閣僚等に提出される予定です。また、地方議会用の意見書案も活用してください。

和歌山のみなさん、ありがとうございました。

(村上香代子・文責)


■2009.05.24 今、女性差別撤廃条約選択議定書批准をめざして (要請書)

選択議定書に関する学習会を開催し、その後にフェミ議として政府に要請書を提出することになりました。

2009年5月24日

衆議院議長  河野 洋平 様
参議院議長  江田 五月 様
内閣総理大臣 麻生 太郎 様
外務大臣   中曽根弘文 様
総務大臣   鳩山 邦夫 様
内閣府特命大臣少子化対策・男女共同参画担当 小渕 優子 様

女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める要請

全国フェミニスト議員連盟
代表 野村 羊子(東京都三鷹市議会議員)
陣内やすこ(東京都八王子市議会議員)
事務局 東京都文京区千駄木1-16-3 木村方

私たち全国フェミニスト議員連盟は、女性の政策決定過程への参画拡大をめざす、超党派の市民と議員の団体です。現在、会員は全国で約200名です。1992年の結成以来、世界の女性と手をつなぎ、女性の人権を擁護する活動を続けてきています。
私たちの活動の礎の一つは、1985年に批准された「女性差別撤廃条約(以下本条約)」です。私たちは、本条約の実効性を高めることになる「女性差別撤廃条約選択議定書(以下選択議定書)」の早期批准を強く要請いたします。「選択議定書」は、1999年の国連総会で採択され、2000年12月に発効。現在、世界で96ヵ国が批准しています。個人通報制度と国連女性差別撤廃委員会(以下委員会)の調査制度を定めたこの「選択議定書」の発効により、条約の実効性が飛躍的に高まったといえます。
しかしながら、日本政府は「司法権の独立を侵すおそれ」を理由に、いまだに批准していません。経済協力開発機構(OECD)加盟国で、未批准国はアメリカと日本の2国のみです。
2003年夏、委員会は、日本政府に対して「選択議定書により提供される制度は、司法の独立性を強化し、女性にたいする差別への理解をすすめる上において司法を補助するものであると強く確信している」と批准を「勧告」しています。あらゆる分野における女性差別の撤廃をうたった本条約が批准されて4半世紀近くを経た現在も、女性に対する差別は今なお社会、結婚、地域、雇用等に根深く存在しています。
「世界経済フォーラム」の「世界男女格差報告」2008年版によると、日本の男女格差指数の順位は130ヵ国中98位と、前年の91位よりさらに後退しており、女性差別の是正が国際的に見ても極めて遅れていることを示しています。
加えて、昨秋以降の未曾有の経済・金融危機のなか、妊娠・出産を理由にした不利益な扱いや、育児休業などを理由にした女性の解雇などが急増していることから、妊娠中の女性に特別の保護を与えることを定めている本条約の徹底が緊急の課題となっています。地方議員の多い当会は、日々、こうした女性たちの苦悩に直面させられています。一方、政府は、男女共同参画社会基本法の理念の実現を「21世紀の最重要課題」と位置づけ、「選択議定書」についても、男女共同参画審議会答申に「男女共同参画の視点から積極的な対応を図っていく必要がある」と明記し、積極的姿勢を示しています。
さらに、さまざまな団体から批准を求める要望書が出されていること、過去10回にわたって批准を求める請願が参議院で採択されていることは、ご承知のとおりです。こうした現状に則し、日本における女性差別撤廃の取り組みの強化を促す選択議定書の批准は、早急に実施されることが望まれます。私たちは、選択議定書採択10年の節目にあたる本年こそ、選択議定書を批准するよう、日本政府及び国会に強く要請いたします。


■2009.01.24 国際シンポジウム「世界は進む 日本は進まずーパリテ、クオータ、男女共同参画―」

日本の女性議員比率は世界182ヶ国中136位、全体の9.4%にすぎません(衆議院)。政策決定の場に10%以下しか女性の代表を送り込んでいないのです。

日本の女性たちが初の参政権を行使した1946年の衆議院議員選挙における女性議員比率は8.4%でした。この数字を史上初めて塗りかえたのが、2005年の総選挙でした。わずか1%増やすためにおよそ60年間もの年月がかかったことになります。

紛争後の国内復興過程で女性の議員率世界一をなしとげたルワンダ、元祖クオータ制の国ノルウェー、性別役割の強いラテンの国で女性大統領を誕生させたチリ、クオータ制を法制化した韓国からの報告をうかがいます。

「世界は進む 日本は進まず」 から「世界は進む、日本も進む」といえる日をめざして!

日  時:2009年1月24日(土)午後2時~5時 (交流会 : 終了後同会場で5時30分~7時30分)
会  場:文京区男女平等センター東京都文京区本郷4-8-3
参 加 費:1000円(資料代)(交流会費 : 1000円)
パネリスト:
 ルワンダ [ 世界第1位 56.3% ] : アリス・カレケジ Alice Karekezi
 ノルウェー [ 世界第11位 36.1% ] : カーリ・ヒルト Kari Hirth
 韓国 [ クオータ制導入 ] : チャン・ジョン・ワン 張宗完
 日本 赤松良子(WINWIN代表)
 チリ 後藤政子(神奈川大学外国語学部スペイン語学科教授)
コーディネーター:
 三井マリ子(当連盟国際部役員)
後  援:
 WINWIN
 市民ネットワーク千葉県
 ミクシテ「ちがさき男女平等参画プラン」を推進する会
 クオータ制の実現をめざす会
 八王子手をつなぐ女性の会
 日仏女性資料センター
 議会に女性をおくる会
 ベアテさんの会
 シャキット富山35
 NPO G.Planning
 ファイトバックの会
 こうち女性と政治をつなぐ会
 北京JAC
 アジア女性資料センター
 NPO法人高齢社会をよくする女性の会  

Report

2009年1月 国際シンポジウム

国際シンポジウムは盛会のうちに終了しました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
参加者は予想した100名をはるかに超え、140名余りの参加者があり、北海道、山形、大阪、富山、松江、広島、四国は愛媛など遠方からの参加者もありました。

ルワンダのアリス・カレケジさんは、目にも鮮やかなブルーの民族衣装をまとって頭には真っ赤なターバンを高々と巻き、颯爽と登場、パワーポイントを使って、熱の入った報告でした。アリスさんは、ルワンダ駐日大使のお連れ合いで、国際弁護士。スウェーデンのイエテボリ大学で、ジェノサイド後の裁判について、博士論文を執筆中です。

1994年のジェノサイドで、たくさんの男性たちが殺されて、その後の再建を女性たちが担ったという話をされました。女性たちが、「みんな一緒」という意味の全国的な連合組織を作って、たくさんの利害が対立する人々が、一つにまとまって、政府にモノが言えるようになった。民族や政党の違いを超えた共通項である平和や、女性に禁止されていた相続権の女性への拡大などをテーマにして全国運動をしたそうです。新憲法では男女平等がうたわれ、すべての政策決定の場に女性が30%以上いなくてはならないというクオータ制が明記されました。


カーリ・ヒルトさんは、駐日ノルウェー大使館で、文化、広報、報道担当の参事官。1960年代に地方議会に女性が進出。1970年代には国会に女性が進出。1980年代に、男女平等法を改正して40%のクオータ制を明文化した。育児休暇などはコストがかかるが、女性が企業に進出することが、経済効果を上げる。母親の85%が仕事を持っている。閣僚は19人中9人が女性、大学教員は22%、市長は23%。現在、特殊出生率は、1.9に上っている。

さらにノルウェーでは、男女平等は経済的な投資であり、女性が経済界に進出できないと損失だとされ、現在、会社の取締役の40%を女性とするクオータ制が実行されているとのことでした。


韓国のチャン・ジョンファンさんは、駐日大韓民国大使館の立法官。今回のシンポジストただ一人の男性。日本語で、がんばって話してくださいました。元は国会の職員。比例区がクオータ制になったために、女性議員が増えた。13.7%になり、日本を抜いてしまった。以前、ハンナラ党がクオータ制をやめると言ったときに、全国の女性団体が連帯して、「落選運動」などで徹底抗戦した。チャンさんは、図表入りの充実した資料を用意してくださり、大変好感を持たれました。


後藤政子さんは、東京外語大で、ラテンアメリカ現代史を専攻。神奈川大学スペイン語学科教授で、女性大統領を出現させたチリのことを話していただいた。バチェレ大統領の誕生は、彼女の資質が大きい。女性閣僚を半数にする公約どおり、はじめは11人いたのだが、今は9人になっている。もともと社会党と共産党が強かった。大統領が女性になっても、働く女性に数は、まだまだ少なく、クオータ制も導入されていない。パワーポイントによる詳細なわかりやすい解説で、遠い南半球のチリの国が身近に感じられる素晴らしい報告でした。


赤松良子さんは、「世界は進む、日本は進まず」というタイトルだが、私は、オプチミストだから「進んで行こう」の話をしたい、と始めました。戦前に婦選獲得同盟ができたあたりの婦人参政権の歴史から、小泉チルドレンによって、戦後の初めての選挙での女性の進出を凌駕したところまでの女性たちの歩みをわかりやすく話された。「1946年4月10日が初めての女性参政権に基づく選挙だった。それにちなんで、4月10日から、一週間が女性週間となっている。私が、婦人少年局にいたときに、毎年その時期にポスターを作る。ある年、女性を議会に送ろう、というようなスローガンを上司に上げていき、課長、部長ぐらいまでOKだったが、その上の幹部がダメと言った。理由は『今年は選挙の年だから』。選挙の年こそ必要な啓発なのだが、女が出てきたら、男が出にくくなるというのでしょう。本当に男社会だった」


質疑応答の時間にも会場からたくさんの手があがりました。以下要約です。

ルワンダでは、1996年ジェノサイド法ができた。それまでは、強姦は軽く見られていたが、強姦被害者のところに国会議員を連れて行って聞き取りをしてもらったりなど、指導的立場にいる男性に、この被害の深刻さを理解させる取り組みをし、「カテゴリ4」から「カテゴリ1」(最高に重い刑)にまで上げることができた。 後藤さんによると南米の国々の中では、コスタリカは、クオータ制も女性省もあるが、残念ながら女性の地位は高いとはいえない。キューバの方がずっと進んでいて、女性の国会議員比率が44%に昇っている、とのことでした。

赤松さんは、WINWINは、女性たちにはお金がないという現実があるから、資金援助をしようと99年に始めたが、お金が集まらなくなってきてしまったので、解散も視野に入れた話し合いをし、今は、インターネットでこの人なら推薦できます、という情報を送ることで活動を続けている、と話された。

話に熱が入って30分オーバーしてもだれも立ち上がることなく、引き続きの交流会も60名以上の参加があり、用意したお菓子類が足りなくなるほどの盛会でした。お茶やジュースで乾杯のあと、今回のシンポジウム開催にあたって後援してくださった団体や個人からのアピールが相次いで、和気あいあいのうちに幕となりました。

参加者一同によって承認された宣言文は今後世話人会が、確実に政府の各部署に届けていくことを決定しています。これについては又ご報告します。

このシンポジウムを報道したサイトには以下がありますので、ご参照ください。(一部サイト削除)

■ルワンダの奇跡――女性進出いまや世界一!(1月30日)
■女性の政治参加「世界は進む 日本は進まず」―都内で国際シンポジウム(1月27日付)
■Fem-News ブログ(1月26日付)

最後に、当日ボランティアで通訳をお引き受けくださった皆さま、素晴らしいシンポジストの皆さま、ありがとうございました。この成果を今後、この日本における政策決定の場への女性の参加のスピードを上げジェンダー平等な社会作りへと活かして行きたいと決意を新たにしています。

写真撮影(一部) 高橋三栄子

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